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2008年01月30日

達人

コウ先生は台湾の元産婦人科医。台湾で一番大きな病院の理事を引退後は、台湾と東京に家を持ち、シドニー、カリフォルニア、オハイオに住むこどもや孫たちに会うために、季節や旬のうまいものに合わせて奥さんと二人で移動する生活だった。

カリフォルニア滞在中は、週に2-3度スシトミに来て、熱燗を2合飲み、刺身をつまむのだが、日本語の達者なこの先生の含蓄ある話しを聞くのは、いつも楽しみだった。戦争、日中、台中の関係を淡々と、けっしてどこの悪口も言うのではなく、自ら確認するように話してくれた。

その先生が急逝されて早や7年、久しぶりに集った家族たちの話を聞いて驚いた。

朝起きた先生は一番に行きつけの床屋を予約。「まだ伸びていないじゃない?」 という奥さんに対し、「いや、みっともないから切っておく。」 と言って出かけたそうだ。そして、いつものように談笑しながらヒゲを剃り、整髪し終えたところでいつの間にか寝たと思われた先生は、そのまま生を終えていたそうだ。

その顔はきれいで、そのまま葬儀に出したそうだ。享年79歳。おみごと。


煮魚

煮魚を食べたお客さんは、「うちで作るとこういう味は出ないんだな~」 とよくおっしゃいます。そこで作り方を聞いてみると、皆さんそのつど料理本の通りに調味料を合わせて作ってるんですよね。おそらく照りとコクというのか、味の乗りが薄っぺらくなるのでしょう。そこで奥さん、あなたにだけにマル秘のテクをお教えしましょう。 

2008 1月 かま.JPG 2008 1月 044.jpg

と言ってもスシトミ流なのでこれも手抜きなんですが、スシトミでは煮魚を炊いた汁を捨てないだけなんです。本当はその魚に応じてダシから張るんでしょうが、これだと味が乗らない。特に身崩れしやすい魚などは難しいので、魚を炊いたらその煮汁を漉して次回のために取っておくんです。店では冷蔵庫に置いて、煮こごりにしてありますが、家庭ならば冷凍して保存しておいたほうがいいでしょう。

  2008 1月 煮汁.JPG 2008 1月 041.jpg

この煮こごりをベースにして、ダシ汁を加え、醤油、酒、ミリン、ショウガなどで味を整えると、最初から調味料だけを合わせるよりも格段に深みがでます。スシトミでは、写真のような各種魚の端切れを煮炊きして、煮汁のストックを用意することもあります。もちろん、この端着れはお通しで使っています。

また、煮崩れしそうなときは、魚に火が通った時点でその魚は鍋から取りだし、煮汁だけを詰めていけばいいでしょう。そこで味ととろみ加減を調整して、食べる前にもう一度煮汁を魚をからめたら、身崩れしないできれいに仕上がるでしょう。

ちなみにボクは煮汁で炊いた豆腐とネギが好きなので付け合せによく使います。

ただし、鯛カマ、キンメ、カレイ、ギンダラ、チリアンシーバスなどを同じ煮汁で煮付けていますが、サバだけは別です。サバを味噌煮や醤油で炊くときにはこの煮汁は使わないし、逆にサバの煮汁は他には使いません。これはまた次回ということで。

渡り蟹の味噌汁

ソフトシェルクラブのから揚げや寿司は、アメリカならどこの鮨屋にもおいてありますね。これはメイン州などで主に捕獲されるブルークラブというものですが、5月の下旬頃、脱皮したてのものが冷凍されているので、時期を問わずに食べることができます。2008 1月 ブルークラブ.JPG
 この写真はその蟹の生きているもので、中華のマーケットに行くと置いてあり、韓国の人はこれで蟹キムチを作るようですね。スシトミではいいだしがでるので、そのまま二つに割り、味噌汁にしています。温まりますよ。

2008年01月28日

カリフォルニアの冬景色(紅葉前線その後)

真夏の南米チリで遊んでいる間に、なんとなんちゃって桜がすでに開花し、しかも悪天候で散り始めているではありませんか。あろうことか、菜の花まで切り取られていました。せっかくいい写真が取れたら、どこかのコンテストに送りつけて商品をゲットしようと考えていたのに。残念。2008 春 アーモンド2.JPG 2008 春 アーモンド.JPG

こちらはNobuさんからいただいた、春の兆しですね。カリフォルニアは今、桃や梅、プラムの花がいっせいに咲きだしています。でも今日のストームで散るのかなあ。 開花


カリフォルニアの真冬の散歩道です2008 1月 いちょう.JPG
銀杏の黄葉もすべて落ちました。そんな中、スシトミML厚木支部長な~しゃん が元いた会社の前の畑は、未だ買い手がつかないのか、今年も春を待つ準備が進んでいました。なんちゃって桜(アーモンド)の花が、この菜の花畑を背景に咲く日が待ち遠しいですね。2008 1月 菜の花.JPG 2008 1月 菜の花2.JPG


この写真を撮ろうとしたら、畑の向こう側をライトレール(電車)が走り抜けていきました。うーん残念。いかにもな~しゃんが喜びそうなんですが。

こちらは人吉キジ馬ネットのコチュジャンさんの冬山の写真です。大菩薩峠.jpg 昨年クリスマスイブの写真ですが、今年は日本百名山のうち7つも制覇したそうです。今年も期待していますよ先輩!!

2008年01月13日

カリフォルニアの冬の魚

年があけて、ほぼ毎日入荷しているのものです。

左からローカルのイワシ、モントレーイカと殻つきのホタテ、アオヤギとアサリです。
ローカルと書きましたが、ホタテとアオヤギ、アサリなどの貝類はメイン州など東海岸から来ます。
西海岸ものはイワシ、モントレーイカ、それにアワビと生カキ、みる貝などになります。このほかダンジネス蟹も近海で揚がっています。

アサリは手前に置いた3個が小さめで日本サイズ。他は大ぶりで、日本から来たお客さんは「はまぐり?」 とよく言われますね。アオヤギもかなり大きめです。

いわし.JPG いか.JPG 貝.JPG

イワシは日本のトロイワシに比べるとかなり貧弱に見えますが、充分脂も乗り、刺身でもたたきでもおいしいものです。貝類も立派な寿司だねですが、醤油で軽くあぶってもいいおつまみになりますよ。

翁の夢

我が人吉高校の大先輩0方さんは、今月18日、満90歳の誕生日を迎えられます

足元こそさすがに弱ってきたようですが、今でも自分で運転し、魚釣りに行き、丁寧に庭の手入れをする日々です。でもその免許も今回で更新しないことを決意。1年単位で更新してもらえるかもしれないけど、「他人の試験官より、自分の判断の方が正しいじゃろう・・・・」 だそうです。

0方さんの話しだと、男は女と違ってある日突然、「自分はいやじゃ!まだ○○○!!」 とどんなにゴネてもどうにもならん日が必ず来るそうで、その日を境に、あきらめることができるようになるそうです。ちなみに 「女は死んでもあきらめない。」 とか。

抜けた歯は何本かあるけど、入れ歯は1本もないという0方さんは、1週おきくらいにスシトミでランチを取り、酒を1合とビールを1杯飲みながら、自分の好きな刺身と寿司を少しだけ食べられます。毎回ポツリと口からこぼれる一言に笑わされるのですが、正月早々、最高の笑いをいただいたので少しおすそわけを皆様にも・・・・・・・

私 ・・・「0方さん、奥さんも元気ですよねえ。」

0方・・・「今年85じゃが、毎朝2時間散歩しておる。若いときから口も達者で今も変わらん。ワシがひとつ言うと、みっつ言い返してくる。癪じゃからもう口きいてやらんと思って黙っていると、ワシが話すまで二日も三日もだまっておる。そこでひとつ言うてみると10言い返してくる。」

私・・・「100歳まで行けそうですね?」

0方・・・「最近死んだ人の夢をよく見るんじゃ。だからそろそろお迎えがくるんじゃないかなあと思っておる。」

私・・・「え? まさか、きれいなお花畑の向こうで、死んだ人が手招きしてるんじゃないでしょうね?」

0方・・・「いや、そうじゃないけどなあ、みんな昔のまんまで、本物そっくりでなあ。目が覚めたあと、いつも正夢じゃないかと思ってしまうくらいなんじゃ。」

2008年01月02日

伝統とその継承

昨年の「シリコンバレー寄席2007秋」 の話になるが、今回新しい試みで、「こどもたちのための落語の集い」 を企画。日本語補習校の先生、父兄、そして師匠のご協力を得て、本番の「圓橘の会」ともども大盛況で終えることができた。お客さんを交えての懇親会を終えて帰宅したのが夜の10時過ぎ、軽い酔いと、心地良い疲労感でソファーに横になっていると、テレビから浮世絵の話が聞こえてきた。
目を閉じて聞いていて、浮世絵の摺り師として、鉄井孝之さんが紹介されたところで飛び起きた。摺り師として50年を越える道を歩んでいる鉄井孝之さんは、スシトミML相模原支部長鉄井さんの実兄で、スシトミに飾られている浮世絵2点は、いずれも鉄井さんの作である。

2007  冬 日本&クリスマス 289.jpg 2007  冬 日本&クリスマス 294.jpg

番組は、昭和期に復刻された広重版画の版木を使い、鉄井さんたちが摺りなおす過程を追跡したものだが、耳目を奪われたのは、この孝之さんの息子さんが父の跡を継ぐべく、父のもとで修行している様だった。師匠である父は、弟子である息子の前でこの復刻版の監修者にダメをだされ、何度もやり直すのである。摺り師を代表する平成の名人にあげられる人が、「くやしいなあ」 と呟きながら、その違いを理解するがゆえに何度も摺り直す。そしてその師匠の背中を見つめ続ける弟子。

落語の修行は、日々師匠のお世話が中心で、噺自体は3度教わって覚えてしまい、あとは自分で練習するという。でもそうはいいながら、毎日師匠の元にいて、その師匠が毎日練習する様を見て、聞いていると、それがまた修行になるんだろう。

鮨屋の修行も親方に教わり、模倣し、同じ寿司をいかに再現できるかがその目標になるので、同じ板場に毎日立ち、仕込みから後始末までをともに繰り返し、少しづつ任される量が増えることで自信も責任感もついてくる。

「何年修行したら寿司を握れますか?」 よく聞かれる質問だが、ただ単に巻き、握るだけならば、器用な者なら半年もすればできるものである。しかしながら隠れた輝きを持つ弟子に対し、技術以外の、教えられるのではなく、感じ取って欲しい理屈ではない先人の知恵や作法・・・つまり言葉では伝えにくいものこそが伝統なのかもしれない

半世紀以上この世界に身を置きながら、200年前の摺りの再現に苦しむ師匠の姿を見ることは、弟子にとってかけがえのない修行になることであろう。

言葉で伝えることは難しい。でも今回の「子供たちのための落語の集い」を通して、アメリカに住む子供たちが落語に触れ、実技を体験したことには意義があったと思う。噺を子供向けにアレンジせず、「時そば」を演じてくれた圓橘師匠には感謝したい。教えることではなく、感じることが大事だからだ。

次回のシリコンバレー寄席は2009春を予定している。この企画は続けていこう。日本では忘れられていた版画の芸術性の高さが海外で評価されたように、落語の楽しさをアメリカで覚えたという子供たちが出てきたら素敵なことだと思うから。  07.10.14圓橘こども集いIMG_0451.JPG 皆ならんでIMG_0467.JPG


昭和生まれの明治男

ロッテの村田兆治投手 がかってこう呼ばれておりましたが、僕のごく身近にいるWちゃんもなかなか武骨もんで、イケメンの見かけとは裏腹に、平成を20年数えてもいまだに明治のニオイを放っております。僕も流行にはかなり疎いほうですが、彼にはとんと及ばない。

まずつい先日はじめて携帯を持った。(奥さんに持たされた)もちろん、タダのやつで電話以外の機能を知ろうともしない。それどころか、受話器のない電話は、叩きつけて切ることができないのが悔しいとさえ言う。それはそうだ、誰かガチャン!!という音が出るOFFボタンを考えてくれないかしら。

デジカメももちろん持っていない。でも車にはバカチョンカメラが置いてあり、これを現像に出し、焼き増しして人に配るのが好きである。

ケイタリングの配達を頼んだ際、ヤフーマップをコピーし、ディレクションも添えて渡したが、彼は番地を確認して、AAAでもらった年代ものの地図を広げて見だした。彼の車のドアポケットには、膨大な量のこの手の地図がつっこんである。

物を捨てることを知らず、僕が捨てたものを拾うのはもちろん、いつ書いたかわからない汚れたメモ用紙までもきちんととってある。そして、「あ、あのときのアレがあったら」なんて言うもんなら、「これですか?」と、ニヤリと笑って出してくる。

高校時代からサイズが変わらず、今でも制服を着ることができるという健康体のためか、風邪薬も飲まない。未だに携帯常備薬は 「正露丸・バンドエイド・オロナイン」の3種。

キャンプに行く息子のバッグの中を確認し、そこに息子が自分で用意したバンドエイドを見つけ、ニヤリと笑う心優しい父親でもある。

言葉使いにも定評がある。えもん掛けやネッカチーフでウエイトレスに怪訝な顔をされるのは茶飯事、ラブホをモーテルと言って僕は笑われたけど、彼は「連れ込みのことでしょ?」なんて平気で言うんですから。

シリコンバレーという土地柄か、アタラシモノに引きずり回されがちですが、こういう男が身近にいると、なんかホッとするものです。

そういえば僕の大好きだった明治生まれのばーちゃんは、脳溢血で倒れて入院した病院でも、ノーシンを隠れて飲んでたなあ。

年始の営業予定

スシトミは本日2日ランチから通常どおり営業いたします。サンノゼ「ぎょーざの花」は、3日木曜日から営業し、来週からは毎週月曜日が定休日となります。ヘアサロン「SHIGE」は、明日3日から通常どおり営業いたします。

謹賀新年!!

あけましておめでとうございます。2008年も皆様にとって良き1年となりますように。そして今年も日本では味わえない地の食材、そして築地や九州からの空輸便をバランス良く使って、皆様のお越しをお待ちしております!!

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スシトミ&花 合同忘年会2007@「ぎょーざの花」